赤神諒『酔象の流儀』を読む。

赤神諒作品。1972年京都生まれ。同志社大卒。はじめて読む作家。信長側からの歴史や小説を読むことが多かったが越前朝倉家の中にも歴史があった。中でも朝倉宗滴という最高の将とそれを受け継いだ山崎吉家中心の朝倉家盛衰記。

『酔象の流儀』朝倉家盛衰記

第5代朝倉家宗主義景は凡なる殿様であった。宗滴という偉大な将が残した宗滴5将と言われる仁・義・礼・智・信と呼ばれる忠義ものたちによって平安を保っていたのだが加賀一向一揆の動きの活発化から動き出し、将軍義昭に朝倉家を頼られ、信長の台頭がでてきてからうねりに飲み込まれていく。宗滴の後継として責任を感じて指揮したのは山崎吉家であった。戦のないときは仏像をつくり「いと」という良妻をえて人柄も好かれ朝倉家に忠義をつくすことを第一に考える男吉家。しかし節目節目に戦略を言上するも凡なる殿や野心をもつ従兄朝倉景鏡らの策動に遮られ折角浅井家や武田家や一揆側との反信長同盟も挫折しついに信長の攻撃をゆるし朝倉家は滅亡の道へ。

(頑なに宗滴に師事し朝倉家に最後まで忠義を尽くして男の美学を貫いた男の話)

☆☆☆

f:id:yamachanmamechan:20210518231916j:plain