自分の読書遍歴はまったく節操がない。傍に本があればいいだけかも。
中上健次氏は生きていれば77歳だろうか。「岬」で芥川賞を受賞という。
被差別部落を描く作家だからこの本もそれに繋がるのだろうが・・・・。
「鰐の聖域」
狭い街の一つのボスの娘を嫁にし、別れて一方のボスの娘と結婚し、
その従妹と関係し、手当たり次第的に女と関係を持つ「ろくでなし」
「女たらし」の評判の五郎の日常が描かれる本である。被差別部落という
閉鎖された小さな町だから噂もすぐにたつなかで五郎は川で鮎をつく
ように女と関係をもつ。部落のなかで上手に泳ぎ回るでもなく
差別に屈折しながら生きる若者が描かれるのだが未完の作品らしい。
☆☆