久坂部作品。MRというのはメディカル・リプレゼンタティブの略で医療情報担当者と訳されるという。よく午後から病院に行くと2人位の営業風の人が病院内をウロウロしているのに出会う。この本はそんな製薬会社の営業マンの人たちの話である。
500頁を超える長編なのだが小編が細かく適度にまとめられて読み易い。
『MR』
製薬会社の準大手の天保薬品という製薬会社の大阪支店の紀尾中所長を中心に営業活動をするなかで外資大手製薬会社との競合や会社内での派閥争いや足の引っ張り合い、研究者との関わりや寄付。天保薬品は「患者ファースト」を社長がモットーとしていて紀尾中所長は社長のモットーを実践しているのだが・・・。薬の売り上げを伸ばすことと患者を第一に考えることの軋轢などが描かれる。
(医者と製薬会社との癒着ともいえる関係もありそうで命の第一とはいえいろいろあるという。薬を飲むときと医者にかかる時はちょっと斜めに話を聞くことも必要かも)
☆☆☆