北原亞以子「乗合船」を読む。


   北原亞以子さんの人気シリーズもの
       「慶次郎縁側日記」の1冊を読んでみた。

    「乗合船」は「乗合船」を含めて短編にした8篇を掲載。 
    「松の内」「春の雪」「おふくろ」「冬過ぎて」「はなかつみ」「吉次の値打ち」
    「冥きより」「乗合船」
    定町同心だった森口慶次郎、今は隠居して寮番として現役たちの面倒を
    みたり町人の相談役として、娘婿の同心晃之助や孫の相手をして暮らす。
    「松の内
    おせんと亥之助は仲のいい夫婦だったのだが亥之助に女ができて
    帰ってこない、文句をいうと帰ってくるという関係が続いて、ある時
    もう帰ってこないでくれというと亭主は別れて来たという。嬉しい気持ちを
    隠して信じられないからもう帰ってくるなという。権幕に押されて亭主は
    家を出て翌日川で亭主の死骸があがる。妻は自分が殺したと喚く。
    その結末は・・・・・・・・。
    「乗合船」
    嫁が足が痛い、腕が痛い・・。どこの病院にいっても治らずに痛いという。
    医者はどこも問題がないという。精神的なものなのを亭主も知ってる。
    亭主はいう。「行先を見失っていた舟に女房がぽんと乗り込んできて
    結婚したようなもの」「どうせ行き先を見失っていたんだから女房の
    行きたいところに行ってやろうと」妻の痛みにも付き合う夫婦の話だ。
    「おふくろ」
    旦那に逃げられた母親と一緒に住む働きもしない息子。母親は一生懸命
    働いて育てるのだが容姿も太っていて軽蔑するような母親だった。
    息子に女ができて母親に金をねだるが働いて稼げといわれる。
    どうしてもいる遊ぶ金なので隣の家に泥棒に入って金を見つけるのだが
    騒がれてしまい、番所に届けも行く。母親は息子の知らない間に
    隣近所の人たちに慕われていて近所の人たちが必死にかばってくれた。
    息子は目が覚めて番所も動かす・・・・・・・・。
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