泡坂妻夫『飛奴』を読む。

泡坂作品。1933年~2005年 東京都出身の推理作家という。たまたま本を手にしたら生きていらしたら89歳という作家の本だった。たまにこんな時代ものの短編を読むのも頭がリラックスしていいものだ。7編の短編が収録されている。

『飛奴』「夢裡庵先生捕物帳」

「風車」は正塔は藪医者を自覚している医者だが男女を取り持つのを得意としている。

お清は離婚されて境内で風車を売っているのだが元旦那は武具屋の隠居。元旦那が殺された。お清に疑いがかかるのだが町奉行同心で人呼んで夢裡庵先生が解決する。

「飛奴」は米問屋が儲かっていたのは伝書鳩を使って相場をコントロールしていたのを夢裡庵先生が解き明かす。

「金魚狂言」は境内で息子の死の供養饅頭を配った母親の饅頭を食べた番頭と金魚が死んだ。しかし番頭の死は情人ができてた嫁の仕業と夢裡庵先生は見破る。

「仙台花押」は仙台堀での花火を見に繰り出したところが女の死体を載せた無人の船に出会う。死体は不器用な芸伎でそれに惚れた遊女屋の主人が手をつけた、女将に知られそうになって殺してしまったが花押には花押に惚れた男がいた。

「一天地六」は手の器用な細工師が騙されてイカさまサイコロを作らされる話。

「向い天狗」は若い女の髪の毛を切る事件が相次いで夢裡庵先生は居酒屋の娘千代を囮に使って犯人を捕まえる。

「夢裡庵の逃走」は幕末に夢裡庵は幕府方の大砲撃ちになるのだが周りの人はやめさせようとするが意思が固い。しかし千代を好きなのを知ってそれをダシに戦場から逃走させる。

(ダジャレや句をちりばめて軽い読み物になっている。登場人物もいい。)

☆☆☆

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