宇江佐真理「たば風」を読む。


  宇江佐真理さんは函館出身の作家だ。
   久しぶりに図書館で手に取った。1949年生まれという。
   心休まる作家の気がする。
   蝦夷拾遺「たば風」6篇の短編集で読み易い。
   「たば風」
   松前藩幸四郎は”まな”と婚約していたのだが脳梗塞を突然患う。
   まなはそれでも結婚したかったのだが親の反対であきらめる。
   まなは結婚した相手が藩の騒動に巻きこまれまなが窮地に陥った時
   幸四郎はまなを救うのだが・・・・・。
   「恋文」
   松前藩の江戸詰めの藩士が呉服屋のミクに恋をし結婚して3人の男子を
   育てたが、ミクは三番目の子右京が独り立ちしたら離婚しようと考えた。
   心の内を右京に話すと夫に100通の恋文を書いたら納得して離婚に
   賛成するという。ミクは渋々恋文を書きだすのだが・・・・・・・・・・。
   「錦衣帰郷」
   蝦夷に何回も通って偉くなった最上徳内が故郷に錦を飾る話。
   「柄杓星」
   杉代の婚約者が大政奉還の混乱のなかで婚約を解消して彰義隊
   加わって戦い命だけは助かるが今度は榎本隊に参加して蝦夷に行くと。
   蝦夷で一旗あげて一緒に住もうと約束するが・・・・・・・。
   「血脈桜」
   松前光善寺の血脈桜を14代藩主徳広とともに国元へ帰った奥方の
   光子が守り役として雇われた若き松前の娘たちと眺めるのだが運命は・・。
   「黒百合」
   江戸の混乱期に武芸を習った娘ふたりが浅草で剣劇を見せて親たちの
   生活を助けていたのだが・・・・。
☆☆☆たまにはこんな短編でホッとしたいものだ。
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