伊東潤「死んでたまるか」を読む。


    伊東潤氏の作品はこれが初めてである。題名に惹かれて手にとった。
    58歳らしい。早稲田大卒とある。歴史ものが多いらしい。
    「死んでたまるか」
    やっと幕臣になってこれからという時に戊辰戦争に巻き込まれた
    大鳥圭介を主人公に大鳥圭介から見た戊辰戦争を描いている。
    会津・日光・仙台と新政府軍と戦い、榎本武揚と出会い蝦夷に渡る。
    史実に忠実に目新しいことはない。大鳥の指揮した戦いは負け戦が
    多かったがそれでも死んでたまるかと生き続けた大鳥の人生。
    蝦夷政府を夢見た榎本や土方との出会い。最後は土方は死に
    大鳥や榎本は生きて大鳥は学習院校長などをつとめて79歳まで
    生きたという。榎本は新政府のいろんな大臣まで上り詰めたという。

    松前江差・二股・矢不來・千代ケ岡など各地で新政府軍と戦うのだが
    武士として幕臣としての意地で我々の住むこの道南で死んでいる。
    史実や小説に見えない名もないたくさんの死。
    碧血の碑をあらためて見に行きたいものだと思った。
    勝敗のカギともなった江差沖で海に沈んだ開陽丸を江差に行って
    彼らの思いを感じてみたい。
イメージ 1