百田尚樹「幸福な生活」を読む。


    作家 百田尚樹はとかく話題になることが多い。
       作品はそれなりに面白い。熱の多い作家なのだろう。

    「幸福な生活」 短編集だ。18編の短編がコンパクトに収められている。
     幸福な生活は最後におさめられてる。
     平凡で幸せな生活を送っていて娘が結婚する相手を連れてくるという。
     予定時間がきても娘は彼を連れてこない。実はこれは交通事故に
     遭って自分以外はすべて即死になり自分は植物状態の中の夢の話。
    「母の記憶」
     老いた母が入院していて息子が見舞いにきて話をする。
     父は酒癖が悪く働かず夫婦喧嘩の末に家をでたと小さい頃に聞いて
     いたのだが見舞いの話のなかで母は息子に思い出話をしながら
     父が唯一買ってくれたゴジラの話になり母は「ごめんね。ゴジラ
     池を作る時に一緒に埋めちゃって。」母は父を殺して埋めたらしい。
    「夜の訪問者」
     夫が夜家に帰るとなんと浮気相手の女が妻と和やかに話してる。
     駅までの送る道で「あなたの妻はなにもかもお見通しだよ」
     半信半疑で妻の備忘録を覗くと妻のやさしい言葉がならんでる。
     安心した途端にその下に探偵社に依頼した浮気報告書が。
     そした最後に一言が。「みたな!」
     その他どれも落ちがあって面白い。
☆☆☆☆      短編は読み易くて楽しい。
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