「真夜中の運動会」
池永陽の作品。 池永陽は1950年生まれ。同年代なのがいい。
自分の本への評価はただ1つ。 最後まで気持ちよく読めたかどうか。
図書館で「花淫れ」を読んで際どい作家かなと思ったが
もう1冊と読んだのがこの本。暇をみつけて年末正月に読破。
こころ優しい高校生「靖」としっかりものの「玲子」の青春が中心。
バックボーンは祖父の子供の頃の好きな子「きよ子」との運動会で一緒に
走ろうとしたことが戦争で運動会が中止になり、「きよ子」がサーカス
に売られ、戦後街娼になっていた「きよ子」に再会して結婚を申し込むが
約束に遅れ、「きよ子」は自殺。
そのことを心に残したまま祖父はボケてしまう。
祖父に元気な時にいわれた「世間をよく見とらんなあ」と言われた
ことを教訓に「靖」は祖父の介護をしつつ青春を超えていく話だ。
ほのぼのとした目で読める本。