辻村深月『朝が来る』を読む

辻村作品。まだ44歳かなあ。やっぱり面白いなあ。

『朝が来る』

両親が教師のもとに生まれた姉妹。片倉ひかりは姉が私立中学入学も自分は公立。とかく口うるさい教師の家庭で悶々としていたひかりはバスケ部の格好いい子に口説かれて

好きと優越感とで身体の関係まで。ついには妊娠してしまい中絶のできる期間が過ぎていた。世間体もあり特別養子縁組制度という母が情報を得て話し合いの末、広島の「ベビーバトン」という生まれるまで寮とかで生活して生まれたら養子縁組に。費用は子供が欲しくて養子にする人が支払うという制度という。

川崎市に共に働く高級マンションに住む栗原佐都子夫婦。二人は子供のことは深く考えずに暮らしてきたのだが39歳になって周りから子供はと言われて病院に行って見たらともいわれて検査したら夫が無精子症と診断される。初めて子供のことを夫婦で話題になりだしたら取り留めもなくなり結局無精子症の治療を諦めテレビでみた「ベビーバトン」の存在を知り養子を迎えることに。片倉ひかりと栗原家との出会いである。「朝斗」と名付けられた。6年後そんな栗原家に一本の電話が・・。ひかりは働き者になるべくいろいろ勤めるのだが悪い人にかかって保証人にされて・・・・・。

ひかりは止む無く栗原家に電話してお金を脅迫してとろうとするのだが栗原家では子供にも養子のことも伝えていた産んでくれた人を広島のお母さんと。子供にあえるような生活をしてこなかったことにショックを受けて死を思い彷徨うひかり。そんな中で栗原佐都子はひかりを摑まえる。(長い長い来なかった春がひかりにも・・・・。)

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