宮部みゆき『理由』を読む。

宮部みゆき作品。1998年出版。571頁の長編。長くて読むには時間がかかったが飽きさせずさすが宮部作品。競売物件に絡む殺人事件を取り上げた作品。

『理由』

ヴァンダル千住北ニューシティ・ウエストタワー2025号室が舞台。小糸信治・静子一家が住んでいたのだが静子の見栄もあり支払いができなくなり競売にかけられた。家は手放したくなかったのだが・・。競り落としたのが一般の石田直澄というトラック運転手。高層マンションを買って見せるという家族への見栄で勉強したつもりだが競売の物件に対する知識が足りなかったのだろう。物件の引き渡しの前に占有者と呼ばれる引渡し前の賃貸契約者が出てきたのだ。小糸信治に知恵を付けたのが早川不動産。

寄せ集めの一家を住まわせたのだ。砂川信夫と妻里子と呼ばれる女・息子毅・

祖母といわれる老婆。なんと雨風の激しい夜にこの一家が殺された。3人は居間で息子はベランダから落下して。そして買請け人の石田直澄が失踪して行方不明に。当然競売絡みでこじれて殺人を犯したと推測されたのだが・・・・。

実際の犯人は毅とされた男八代祐司。家族愛に恵まれず砂川信夫に拾われた男で宝井稜子と知り合い、稜子は妊娠し子供を産むのだが家族というものに信頼が置けない祐司は結婚できないと・・。ただもしお金があればと石田とひとりで交渉するのだが拒否されて一家を殺すはめに、そこに行ったのが石田信治と宝井稜子だったのだ・・・。

祐司をベランダから落としたのは稜子だった・・。

(親子・家族といってもいろいろある。他人同士のほうが楽に生活できる場合もある。570頁のなかにいろんな家族・いろんな親子・頑張る父親・我慢の母親などなど)

☆☆☆