伊吹有喜『雲を紡ぐ』を読む。

伊吹有喜作品。2冊目。学校でいじめにあった娘を抱えて普通の家族が崩壊しそうになる話。みんな一生懸命生きてるのだが・・・・。

『雲を紡ぐ』

高校生の美緒は家電会社に勤める父・英語の高校教師の母に育てられているのだが学校でいじめにあい不登校に。盛岡で羊毛の染色から機織りまで服地を作る仕事をしている祖父がいた。祖父は祖父と一緒に仕事をしていたのだが仕事上の意見の分かれで離婚しその後事故でなくなった。そのこともあり父は跡を継がずに家電会社に。

美緒は進路に悩み祖父の元へ家出。盛岡で祖父と暮らすうちに元気になり、祖父の仕事に興味をもち祖父の指導を得て祖父の仕事をしようと決意する。父母はそんななかで離婚への道を歩み続けていた。

祖父はこれが最後と東京に来た時に倒れてなんとかリハビリして盛岡に帰るのだがしばらくして亡くなってしまう。

頑張る美緒の様子を見て父母はもう一度やり直そうと・・・・。美緒も決意新たに。

(母も祖父も父も地域がら宮沢賢治が大好きで本に彩をそえている。「言はで思ふぞ、言ふにまされる」という歌の下句が出てくる。岩手の県名の由来にもなった句という。意味は言えないでいる相手を思う気持ちは口に出していうより強いという意味という。)

☆☆☆