久坂部羊『砂の宮殿』を読む。

久坂部羊作品。図書館にまだ久坂部作品の読んでいないのがあった。自由診療で海外の富豪のガンなどの病気を高額で治す病院の話なのだがこの本はガンの手術よりも殺人事件のミステリが主題のような本。

『砂の宮殿』

病院名はカエサル・パレスクリニック。理事長が才所。理事に趙・小坂田・有本と合議制で診断をする海外の富豪相手の高級クリニック。ひとつのガン患者から3千万とか億の高額医療のクリニックだ。才所がロボットを使った手術を小坂田は検診部門・趙は抗がん剤・有本は放射線という役割で優秀な医師たちだ。

設立にあたって大学の福地教授の手を借り、資金面は韓国の趙の親戚から手配したが。

週刊誌の記者から高額診療の自由診療の問題と福地が謎の死を遂げたこと、才所が開発したとされるガン細胞に色をつけて転移した細胞がすぐわかるというCCC法に関わった同僚の事故死に疑念があること、過去の死亡例に疑惑がでてきたことなどでしつこく追及を受けてついには理事の退職が相次ぎそして理事長職も小坂田に奪われるということになっていく話。

(よく言われる高額自由診療がはびこると医療の平等が失われていくという議論がここでも問題になる。診療にはたくさんの選択肢があり患者によって症状によって先を読み医者は都度決断して勝ち続ける医者が名医といわれるという。)

☆☆☆