久坂部作品。今回は「下」だ。「上」は２１歳の若者の悪性の肛門ガンを手術をした白川外科医。誠心誠意手術したのてやむなく承諾を得たうえで安楽死の処置をしたのに責められる話が中心だった。
『神の手 下』
「下」は安楽死を巡ってのカリスマ的に主導する日本全医療協会の新見代表・副代表の女性医師柴木。安楽死を認めつつ医療界を改革しようとする一派と安楽死法制化阻止連合を組織して安楽死法に反対する大塚医師と肛門ガンで息子を失ったエッセイストの古林康代。この葛藤は多くの人の命を奪うような事件をも引き起こす。安楽死法が成立して新見代表勝利かと思われたが新見代表はかってドイツでネオナチグループに属していたというスキャンダルと精神的に病んでいたということが発覚。新見代表は自殺そしれ柴木副代表も後追い自殺という事件まで発覚する。白川医師は田舎に診療所に追いやられるのだが医療は外科ばかりではないと・・・。
製薬会社が安楽死のための夢のような薬ケルビムを作った。初めに快楽が次に死が訪れる薬だ。
（ロシアの侵攻を思わせるような文章が。「理想を追い求めるものは空想になり妄想に近づきやがて暴走から破滅へと向かう。過去の歴史は繰り返されてきた。」）
☆☆☆
