絲山秋子『海の仙人』を読む。

絲山秋子作品。この本は芥川賞の候補にもなった作品ともいう。なるほどと思わせる。

ただ会社を辞めて好きな敦賀の町に住んで魚をとったり山菜を採ったり泳いだりと仙人のような生活というけれどその原資は宝くじで3億当たったという資金というところがちょっとなあ・・。内容は面白いのだが・・・。

『海の仙人』

東京の会社に勤める事があっていない気がして3億の宝くじの資金でアパートを建ててそれで敦賀の生活資金にして海を眺め釣をして生活する河野勝男。ある時ファンタジーという神?が現れて一緒に生活する。村井という舟持ちのおじさんに可愛いがってもらって一緒に釣りなどを楽しんでいる。そんな時中村かりんという海を楽しみに敦賀に来た女性と恋に落ちる。元同僚の片桐という仕事ができ、はっきりものを言う女性が勝男を好きであったが恋とはならなく友のまま。勝男には秘密の過去があった。子供のころ実の姉に性的関係を迫られそれ以来女性との性関係が出来なくなっていた。かりんとは性的関係のないまま恋人同士の関係が続くのだがある時かりんから告白される。実は乳がんで他にも転移していて残り半年と宣言されてることを・・・・。

ホスピスに入院したかりんを泊まり込みで看病するのだが・・・。

敦賀に戻った勝男は元に戻るべく努力を重ねて元に戻りそうになった時片桐のことを思い出す・・・。

(ファンタジーは役に立たない神だがいい味だして含蓄ある話もする。「孤独って心の輪郭なんだ、外との関係ではなくて自分のあり方だよ。とか、思い出せないことがただしくて真実とは忘却の中にある。とか。)

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