谷村志穂「いそぶえ」を読む。

 「いそぶえ」 題名の響きに惹かれて
       北海道生まれの谷村志穂の本をまた借りた。

   谷村志穂「いそぶえ」を読む。
    伊勢志摩の海女の家に生まれて海女として生きる孝子が主人公。
        海女という自立した女性の生きざまと純愛物語。
    知らずに親友の許婚の神官に恋をしてしまった孝子。
    孝子を初恋の相手とする新介。この4人の関係が志摩の海で広がる。
    5歳で海女だった母を失い、大海女だった祖母フクに従弟の
    知的障がい者竜太ととも引き取られ海女として生活も考え方も心も
    育てられていく。孝子は一途な神官との恋愛だったが・・・・・・・・・。
    結局 新介の竜太と一緒という誘いに新介と結婚して女の子を産む。
    けれど農村の軋轢にまた海女の生活に戻るべく能登の輪島に旅立つ。

    「いそぶえ」とは海女たちがアワビなどを採って海底から飛びあがって
    海上で呼吸する音で人によっては笛のような音になるという。
    最後に竜太を置いて旅立つのはなぜだろう。これもやさしさ?
    伊勢志摩の風景と海女の生き方が描かれたやさしい本だ。
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