青山文平「鬼はもとより」を読む。

青山作品は3冊目だが今のところハズレがない。

今回の本は貧乏藩が藩札を発行して立ち直ろうとする本なのだが

経済とは武士とは女とは生き方とはといろいろなことを感慨深くさせてくれる。

時間があると読まずにはいられなかった。あっという間に読み終えた。

「鬼はもとより」

奥脇抄一郎は剣道も強いが女のほうも鬼畜と呼ばれるほど目がなかったが

藩で兵右衛門という知者を得て藩札を発行することとなり抄一郎は藩札掛に

選ばれ仕事に没頭し、藩札発行もうまくいくのだが兵右衛門の死と宝暦の大飢饉で

家老たちと意見があわずに版木をもって江戸にで浪人として万年青で生活を得る。

北の貧しい小藩から藩札の発行の指南を頼まれて鬼にもなって藩札発行を成功

させようという意欲の家老の梶原清明と藩札発行をやりとげる・・・・・・。

「どんな手を使おうが子供だけは守り抜く、それが女の潔さで理屈に塗れた男と・・」

「・・武士は武士でしかできない・・・・命をかけること・・」

最後のほうで江差が鰊商いで地名がでてくる。故郷がでると読みにも力が入る。

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