犬飼六岐『逢魔が山』を読む。

犬飼作品。4冊目になるだろうか。今回の本は雑兵は村にきて子供たちを攫っていく。

子供たちが力を合わせて逢魔が山と呼ばれる妖怪が棲むといわれる山の中に迷い込みながら脱出する話。長々と逃げ惑う子供たちが描かれる。

『逢魔が山』

戦で逃げた城主子供を探して高瀬村に雑兵がやってきて狼藉を働きそのあおりで秀太と弟の目が見えない弟鶴吉・村の同じような年ごろの松平・段蔵・喜助の5人に庄屋に匿われていた小太郎・徳之助も捉えられて夜の山の中を引きずり回される。殺すと脅されて村の子5人はなんとか逃げ出した。その先にあったのは逢魔が山。祖母や祖父に聞いていた昔話の逢魔の河童や子なき爺やそのほかの妖怪を思い浮かべて子供たちは飲まず食わずで闇の中を彷徨う。圧巻は水を飲もうと川を探して断崖の川に降りるのに両側に茂る大木を利用して対岸に渡るシーン。決死の覚悟で木から木へ移って渡る。でもその川は真っ赤な川で飲んだら死ぬという。やっと探し当てた洞窟の中の水。飲めたと思ったら雑兵たちが待ち構えていた。振り出しに。その夜。狸囃しが・・・。

それは小太郎たちを探しにきた兵たちだった・・・・・・・。

(子供たちの知恵と結束・兄弟の絆そんなことが昔のジジババの言い伝えとともに描かれる。)

☆☆☆