#朝井まかて『残り者』を読む。

朝井作品。直木賞など数々の賞をとってる人気作家。維新の江戸城を明け渡す前日の大奥を描いた作品。平易な文章で篤姫に仕えた女性たち・和宮に仕えた女性など江戸城明け渡しには女性たちも翻弄された。

『残り者』

「呉服の間」に配属されて仕事にやりがいを感じていた「りつ」は天璋院(篤姫)から江戸城明け渡しを告げられ「ゆるゆると、急げ」と退出を促されっるのだが針の始末などが気になって呉服の間に戻るのだがそこで「御膳所」(食事の係)の「お蛸」が天璋院の愛猫が退出していないとして探しているのに出会う。さらに「御三之間」(雑用)の「ちか」もまた退出せずに女だてらに一矢をと長持ちに隠れているのに出会う。三人は愛猫をさがしていると御中臈の「ふき」と和宮付きの呉服の間の腕のいい「もみじ」も合流して明け渡しの状況を隠し部屋からこっそり見極める。

仕事に熱意もあり腕もよかった彼女たちは明け渡し後市井でそれぞれの道せ生計を得る。

(いろいろの環境から江戸城の大奥に上った女性たち。しきたりや競争や出世やいろいろの困難を極めながら仕事に生きがいを持って生きた女性たちも維新は翻弄する。)

☆☆☆

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