#久坂部羊『破裂』を読む。

久坂部羊作品。医者でもある作家が日本の超高齢化社会の高齢者が増え続け少子とあいまって何とかしなければと喘ぐ厚労省の官僚と医者とジャーナリストのドロドロした関係を描き出した作品。

『破裂』

フリージャーナリスト松野が研修医・医者の医療ミスについて調査を始めた。

大学の心臓病のエリート助教授香村の手術によってある男が心臓病で手術をして術後5日でなくなった。娘のところに医療ミスだという文書が送られてきて自分も父の死に疑問も持っていたので松野に相談した。その大学の麻酔医江崎が協力することに。調査で告訴をすることに。縫合の針が手術の際に飛んで心臓にはいりそれが心臓に穴をあけた結果死に至っとという疑いだ。

厚労省の敏腕企画官佐久間は日本の逆ピラミッドの超高齢化を解消する策として動けない老人たちはピンピンころりが理想の死に方であるという多数を占めていることを逆手に心臓外科エリート助教授香村の発見したペプタイド療法に目をつけた。この療法は心臓の老化に効果があり一時的に活性化されて元気になるが数か月後に心臓破裂で死に至るという副作用をまだ解決していなかった。佐久間はこの療法が日本の超高齢化に福音としてプロジェクトを組んで予算をつけて動き出した。

裁判の過程で松野は殺され・江崎は麻酔薬で中毒になっていて小さな病院に飛ばされたり問題の針がレントゲンで証明するのに問題があたったり・・・・。

結果判決は実質的に被告の勝利となるのだが・・・。官僚・医者のドロドロが・・・。

(2段で450頁の長編。高齢も元気でなければ意味がないのは確かだ。少子高齢化を解決する策はあるのだろうか。老いて健康でなくなったら安楽死?が一番か)

☆☆☆

f:id:yamachanmamechan:20211014154315j:plain