赤松利一『救い難き人』を読む

赤松利市作品。1956年香川県生まれ。「らんちう」「純子」は過去に読んだ記憶がある。。

読んだあとで救いがたい人とはどんな人のことを言うのだろうという思いが。この本は在日朝鮮人が主要な登場人物なのでどうなのだろう。

『救い難き人』

朴マンスは朴ヨンスクと満子の間に生まれた。正式に結婚しているわけではない。父はパチンコ屋を営み拡大していった。小さい頃は父に可愛がられたけれどだんだん疎まれ家にも寄り付かなくなった。それとともに在日といわれてマンスはいじめられていった。母は一生懸命働きお金をマンスのために残してくれたのだが父が家に来て寝室で夫婦で異常な性行為で母は死んでしまう。マンスは覗き見してしまい父を恨む。いじめから解放してくれたのはノブという綽名の井尻信明だった。お金が一番と金と在日の団地の人脈を最大限生かす才覚を持つ男で月に10万の金を出させてマンスの相談に乗り、拡大しつつあるヨンスクの会社を乗っ取ろうとの魂胆があった。そのためにはマンスをヨンスクの会社に入って誠心誠意父に仕えて信頼を得ることが第1とノブはマンスを説き伏せ実行させる。徐々に実子としてのマンスを後継に考えるようになり仕事の一部を任せるようになる。そんな状況で父の片腕の男たちを不要に思って3人を殺害しノブに死体処理を完璧にさせる。仕事上で恨みを買い解雇した男の反撃に遭い両足切断の目に。それでも父から会社を乗っ取るべくノブと策をはかり父の追い落としを・・・。ホームレスにまで落ちる父。

(平易な文章でノブとマンスの女と暴力と金での乗っ取りが描かれる。464頁長編)

☆☆☆