相場英雄『血の轍』を読む

相場英雄作品。警察機構も刑事部と公安部が2本のレールのように交わることのないそれぞれの役割を主張する。かっての警察OB二人が殺された事件をきっかけにキャリア・ノンキャリアの関係も含めてドロドロした警察内部の争闘が描かれる。

『血の轍』

捜査1課に兎沢という若手の刑事は志水という尊敬できる先輩に教えられながら頑張ってた。総監賞を何度も現役の時に貰った優秀な香川元刑事は納得できないまま2つの事件が収束した。退職後も調査していたが殺された。副総監内田とそれに取り巻く村岡という社長に曰くがありそうだった。そんな中で志水が手柄をあげそうな時に公安の手が伸びた。刑事をやめさせられ公安に救われた。兎沢の娘が白血病にかかり手術の医者が公安の手に落ちて娘が亡くなってしまう。怒った兎沢は死んだ香川の遺品から兎沢は村岡に迫るのだが香川が預けたメモリーカードを持つ知人も殺された。元警察官だ。

公安に入って剛腕をふるう志水とかっての教え子兎沢は壮絶な闘いをするのだが・・・。

(国を守るという公安部・悪い奴は逃がさないという刑事部。司法も内部での昇進競争も加わって時には逮捕する側と逮捕させない側という場合も起こるようだ。どんでん返しが続いて最後まで分からない状況に。))

☆☆☆