乃南アサ『嗤う闇』を読む。

乃南作品。1960年東京生まれ。サスペンスの作品が多い。直木賞も受賞作家。4編の短編が収録されている。

『嗤う闇』(わらうやみ)

女刑事音道貴子シリーズのひとつらしい。

「その夜のふたり」はトラック運転手が帰ると2階の寝室で奥さんがバットで殴られていた。一命をとりとめたのだが・・・。貴子刑事の出番。奥さんは隣のアパートの持ち主で司法試験を目指す若者に目をかけていた。見舞いに来ていたその若者は問い詰めると「母親づらして親切に・・・」親切もほどほどに。逆恨みもあるということ。

「残りの春」は女性家族の家で植木鉢が壊されたり洗濯物を取られたりというので警察に相談があった。貴子刑事の出番。調べてみると以前子供たちに絡まれてステッキで叩こうとした老人が届け出た女性の母親に振られたせいで嫌がらせ・・・・。

「木綿の部屋」は貴子刑事が上司の刑事滝沢からかわいい娘から借金取りが来るので助けてくれとの電話を受けて貴子刑事に付き合ってくれと。娘の家にいってみると夫は電車の運転士で優男、娘が惚れこんで一緒になった中で夫が同僚とグルになって娘から金を取ろうと。滝沢も貴子も言うだけ言って帰る羽目に。

「嗤う闇」はアパートのエレベーターで脅して強姦するという未遂も含めて数件の事件が。貴子刑事の出番。なんと貴子の恋人が通報人になった未遂事件が起こった。新聞社の女性記者が被害者。被害者の様子がおかしいので調べてみるとなんと記者の新聞社のお偉いさんが犯人だった・・・・。

(貴子刑事は腰掛けのようなキャリアの上司や気難しい上司や変わった上司などとコンビを組まされて苦労しつつも事件を解決していく話。)

☆☆☆