小杉健治『罪なき子』を読む

小杉健治作品。1947年東京生まれ。時々死刑になりたいから人を殺すとか刑務所に入りたいから犯罪を犯すというニュースを目にする。勝手に死ねばと思うことも。

この作品は強盗殺人の嫌疑を受けてその子がどこに行っても死刑囚の子として悲惨人生を送って罪もない自分が悲惨な人生を送らされているのは社会が悪いとして混んでる美術館で大学教授と1年前に夫を失った女性を殺す。そして死刑判決を望んでいるとしたのだが・・・・。

『罪なき子』

無差別殺人犯片瀬洋平に水木邦夫が弁護につく。接見でも死刑判決を望んでいるのでその方向で弁護をと。ただ父は死刑囚で執行もされたけれど子供心に訊いた父の殺人はしていないという言葉を信じていた。死んだ女性の妹が何故殺されたのかという疑問を調べるうちに女性には男の影がしかも不倫の様子が。それを突き詰めて調べていくと死んだ教授と死んだ姉は不倫関係ということが・・・。しかも死んだ女性の夫は女性の不倫に悩んでお酒を飲んで非常階段から転落死という不審な死を遂げていた。

死んだ夫の弟はガンで余命が半年という。調べていくと片瀬の父の汚名と裁判のいい加減さを暴くために弟が殺人を犯し、片瀬が殺人犯の判決を受け、そのあとで弟が本当の犯人と自首するという筋書きが二人の間にできていた。そのことを水木が暴く・・。

(弁護士は被告の利益のために働くのだが死刑判決を望む被告のためにどう働けばいいのか。とにかくまずは真実の解明をと働いた結果が・・・・。)

☆☆☆