加納朋子『二百十番館にようこそ』を読む

加納朋子作品。2作目を読む。前作は短編でどれも面白かったけれど今回は題名の二百十というのはニートということらしい。大学をでたけれど就活もままならず結局はゲームで日々の暮らし。ゲームをしない自分的にはいまいち面白くない。

『二百十番館にようこそ』

ゲームばっかりやって逃げている息子に死んだ母の伯父が離島に会社の研修所を遺贈する。ゲイム名は刹那といい。父から50万円だけ送られて絶縁宣言されてしまう。島では島のおばあちゃんたちに可愛がられ、建物を利用してゲーム仲間を勧誘してBJとかヒロとかひさしとかが集う。ヒロは東大出・BJは元産婦人科医・ひさしは筋肉自慢などゲームとともにユニークな人たちだ。人生を諦めたような男たちが島の人たちの暖かい人情に触れて自信を取り戻し人生の意味をかんじはじめるようになる。刹那じゃまた亡くなった島の簡易郵便局の局長にならないかと誘われてやっとまともな人生に向けて…。

(親に捨てられたと思っていたけれど実は両親もゲームをやることで子供の状況を覗いていた…。ヒロの母も亡くなったのだがその母もゲームを通じてチャットをしながら生前ヒロを覗き心配していたという。)

☆☆☆