夕木春央『十戒』を読む。

夕木春央作品。亀田コミュの新刊から。11月新着本とある。初めて読む若い作家らしい、「絞首商会の後継人」や「方舟」などミステリー作家という。メフィスト賞受賞。

十戒

聖書に出てくるモーゼの脱出から題名か。大室里英の叔父は若いうちからお金を増やす能力に長けていて小さな枝内島という無人島を所有していたのだが北海道で突然亡くなった。遺産を引き継いだ里英の父は枝内島に不動産会社の人や叔父の知り合いなどの人たちと島の使い道も検討すべく9人で島に渡った。渡船を返し、取り合えず1泊となったのだがなんと作業小屋には大量の爆薬が積まれていた。島で爆弾を作る計画をしていた人がまさか爆薬が見つかるとは思っていなかったのだが・・・・。そんな時小山内という人が断崖の下でクロスボウが刺さった状態で亡くなっているのが見つかった。

しかも犯人から十戒に真似たのか十の要求が。犯人を捜そうとしてはダメとか一緒に30分以上一緒にいてはいけないとか、もし破ったら爆薬を爆破させると。それからは皆言いなりにならざるを得なかった。そして2番目の殺人事件が。そして3番目の殺人事件が。里英と親しくなった綾川という女性がいろいろ推理してついに犯人は3番目に亡くなった藤原という人が犯人で実は死んでいなくて死んだように見せてひとりボートで逃げるのではないか。綾川はみんなにそう説明してみんなは納得したのだが・・・。

さらに裏の裏が・・・・。

(小さい無人島での爆薬の恐怖と殺人事件。300頁は結構読むのにかかったなあ。)

☆☆☆