桐野夏生『日没』を読む

桐野夏生作品。桐野作品は何冊か読んでいるがこの本も強烈だ。作家の話だからどうなのだろう書きやすいのだろうか。作家が世の中に悪習を巻き起こしていると読者の声をもとに拘束されるという話。数か月なのだがそれも療養所とか刑務所よりも過酷な生活をさせることによって精神の矯正をというのだが・・。国家権力もここまでくると・。

『日没』

マッツ夢井という名のペンネームの作家なのだが或る日召喚状が届いた。総務省文化局・文化文芸倫理向上委員会からだ。読者から本の内容で提訴されたから審議するので指定したところに来いというものだ。初めはほったらかしておいたのだが再度電話が来て辺鄙な駅の改札口で待ち合わせることに。連れていかれたところはかっての療養所のようなところで断崖絶壁に囲まれているようなところに連れていかれた。所長は多田で所員は西森・東森それに秋海という女の子などだ。B98と番号で呼ばれ口答えをすると減点がついて収容期間が延びるという仕組み。地下で拘禁服に包まれた人を見せられ粗末な食事と散歩も監視付きというのでどんどん人格が削られていく・・。崖で自殺した作家もいるという死んだ方が楽といわれる収容が・・・・。

(作家の自由な発想することがいけないとして徹底的に転向をせまり、所属の医者は精神科で脳そのものに研究するという相馬医師。怖いよ!)

☆☆☆