小野寺史宜『ひと』を読む。

小野寺史宜(ふみのり)作品。前に読んだのは「まち」今回は「ひと」だ。次には「いえ」を読もうと思っている。なんかひらがなの単純な題名が面白い。

今回の本では悪い?人は二人しか出てこない。ひとりは主人公の縁戚の男と主人公の好きな女の子の元カレ。どちらも主人公は悪い人とは思っていない。だからいい人ばっかりが出てくる本だ。

『ひと』

柏木聖輔。父が高校の時に交通事故で亡くなった。それでも母が東京の大学進学をさせてくれた。そしてその母も大学1年半で突然病死した。鳥取に帰った。縁戚の男という人が葬儀を取り仕切ってくれた。東京に戻った。大学はやめた。財布に55円しかないなかで「おかずの田野倉」で50円のコロッケを買おうとしたのだが・・・・。主人の督次さんに「ここで働かせてもらえませんか」。事情を話たら雇ってくれた。奥さんも働く一美さんも先輩の映樹さんもいい人。日々節約した生活で聖輔は頑張ってる。

偶然鳥取の時の同級生の女の子と出会う。慶應の彼氏と別れたという。何回か会ってるうちに好意をもつようになる。半年過ぎたころ主人から店を継ぐことを考えてみろという。主人夫婦には子供がいないのだ。聖輔は調理師免許を取ろうとしてさらに別な技術を身に着けようと田野倉を退職しようと・・・・・。主人も分かってくれた。

(聖輔は大学時代の友達にいない時に部屋を昼寝をさせてくれと言われて合鍵を渡して彼女との逢引に使われても怒ることもない程の優男だ。)

☆☆☆