絲山秋子『袋小路の男』を読む。

絲山秋子作品。純愛の話。小田切孝という男に純愛を貫く女性の短編『袋小路の男」と続編ともいうべき「小田切孝の言い分」という短編。加えて「アーリオ オーリオ」という少女と叔父さんとの純愛?の短編。が描かれている。川端康成賞受賞作品。

『袋小路の男』

袋小路の家に住む男に恋をした女性。男に恋人がいようが男が作家を目指しているのだが背骨を折ったり、バーでアルバイトをしてようが30歳を過ぎても身体の関係もなく純愛を貫く話。女性は喧嘩しても何しても会えなくなるよりはいいと恋を継続。

「小田切孝の言い分」では恋した女性は孝に恋しながら他の男性とも交際するけれど孝は面白くもないが認めている。懸賞小説に応募するもやっと1次選考に通って二人で食事をするのだが・・・・。

「アーリオ オーリオ」は中学生の姪は星に造詣が深い叔父さんが大好き。手紙のやりとりをするが父から受験を理由に手紙のやりとりを止められるのだが姪が想像でつくった星との距離にちなんだ光年をいれて二人で3光日の星を思い描く・・・。

(彼が死んだらお骨のかけらをくすねることを思い、乳鉢で摺ってカフェオレに入れて飲んでしまおう、もうひとつはポケットに持っておこう。それほどの純愛の話。)

☆☆☆