絲山秋子『ばかもの』を読む。

絲山秋子作品。絲山作品の本の題名も面白い。今回は「ばかもの」だ。もともと絲山秋子という名前自体がいい名前だなあと思う。今回は恋愛小説。

『ばかもの』

額子という年上の女性とのセックスに虜になって入り浸る大学生ヒデ。ある日突然結婚するからと離れていく。やっと就職するのだが今度は酒にうつつをぬかし、折角美人の彼女ができるのだが酒が過ぎてアル中に。本人は酒で暴れたり暴言を吐いたりしていることに気づかない。友人の忠告も聞けずにアル中は進むばかり。やっと断酒入院して少しずつ回復して額子の母親の営む定食屋で話した時に額子は事故で左腕を切断する事故でひとりになり田舎で暮らしているという。ヒデはいろいろ職を変えながらラーメン屋で仕事にやっとついて前向きになれていた。額子の母のすすめで額子に会いに行く。

分かれた経緯から気が進まないのだが額子は料理とか運転とか大学進学の夢だとか前向きな姿に額子に接近していく・・・。大学での友人が新興宗教に入っていたがその友人が殺人を犯して逮捕というニュースに驚くが・・・。

(ヒデは想像上の人がちらつくと出てくるのだがそれは思い描く理想の女性ということか・・・。年上の額子にばかもの呼ばわりされるが最後にばかものとつぶやく。)

☆☆☆