絲山秋子『離陸』を読む。

絲山秋子作品。伊坂幸太郎氏から絲山さんの描く女スパイ物がみたいと言われたそうだが謎多き女性を追う話である。相変わらず丁寧な調査と文章が・・・・・。長編が苦手といいつつ苦手に挑戦というからさらに面白い長編が読めるだろう。

『離陸』

主人公佐藤は国交省から出向してダム建設を仕事にしていたのだが。乃緒という女性と恋に落ちたのだがある時から行方不明に。佐藤はユネスコ出向でフランスに行く。フランスでイルベールという男が佐藤を訪ねてきて乃緒は「ぶつぞう」という男の子を預けて行方不明という。パレスチナに行ったという噂も。夫は連続殺人犯で佐藤のフランスでの友人も殺された。そんななかで佐藤はリュシーというフランス女性に恋をし日本に帰り結婚するのだが妊娠して一度フランスに戻ったリュシーは病気で子供とともに亡くなったと・・。失意が回復したころ偶然に病院に入院していて言葉も話せない乃緒を見つける。見舞いにいくが言葉は通じないのだがこれも偶然に点字で話が通じることが分かるのだが過去もなにも覚えてはいなかった・・・・。

(亡くなった親友も愛妻もみんな亡くなったというよりも陸上から離陸したと思うと心が休まる。亡くなるだけでなく新らたな道に進むときもまた過去からの離陸と考えるべきなのだろう。)

☆☆☆