鏑木蓮『疑薬』を読む。

鏑木蓮作品。初めての作家。京都1961年生まれ。江戸川乱歩賞受賞。

医者と製薬会社と薬について医者の投薬ミスなのか薬の副作用なのかという問題が描かれる。

『疑薬』

三味線の名手の女とバンドをやりたいという男が結婚したのだが男は芽が出ずに荒れていく中で生まれたのが怜花。離婚して飲食店を経営し別の男と一緒になった母を怜花は手伝っている。母はかって病気になり三品病院でシキミリンβという薬を処方され熱は下がったのだが次に全身の痒みが襲いついに視力が失われたがそれでも店で三味線でお客を喜ばせる母。母は生きたことで病院に感謝していたのだが週刊誌の記者矢島がお金目当てで医療事故として探りだしてから怜花も母の不自由さに憤慨し問題が噴出する。高齢者の問題に熱心で病院と高齢者施設をいくつも持っている三品病院のミスだったのか製薬会社の薬に問題があったのか。製薬会社も社長が入院していて離婚した女性の研究所出の息子を代行としているが会社は混乱していた・・・。

(治験で薬はよくなっていくのだが治験なのか人体実験なのか。結局医者としても人間性が求められる。患者も人間を見る目が大切なのかも。)

☆☆☆