#池井戸潤『空飛ぶタイヤ』を読む。

池井戸潤作品。739頁の長編。いっきに読ませてくれる流石の池井戸作品。

真面目にやる人・一生懸命な人・正義の人。人への応援歌が背骨にあるから池井戸作品は共感を得るのだろう。半沢直樹などのドラマでは「倍返し」などが話題になるが・。

空飛ぶタイヤ

90人ぐらいの従業員の中小企業の運送会社の2代目社長赤松。トラックのタイヤがはずれて若い奥さんが死亡し息子さんが軽傷という事故が生活も企業も一変させる話。

従業員を信じてトラックの構造的問題と財閥系列のメーカーホープ自動車に掛け合うのだが「整備不良」による事故と取り合わない。銀行からは融資より返済、大手取引先からは仕事を取引停止、被害者からは訴訟。資金繰りは待ったなし。そんな逆境のなかで踏ん張った赤松社長と社員たちの苦闘・苦悶の闘いの話である。

結果はホープ自動車内部告発や週刊誌記者の情報や警察が重い腰をあげてついには

ホープ自動車に頭を下げさせ、被害者にも理解されるハピーエンドになるのだが・・。

(99.9%逆境のなかでも努力をすることの意味を教えられる。誠意を尽くせばわかってくれる人は必ずいるということだろう。赤松社長になってる気分にさせられる。)

☆☆☆☆

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