京極夏彦作品。「眩談」に続いて談シリーズ2冊目を読む。今回も短編8編。
奇怪小説の巨匠というけれど単に奇怪なだけではないから面白いのだろう。
今回の作品のなかでも「空き地のおんな」「予感」「先輩の話」は好きだなあ。
『冥談』
「庭のある家」は久しぶりに友の家を訪ねると妹が昨日死んだという。届をだして
くるから留守番をしてくれという。その間に横たわっているはずの妹が・・・・・・。
「冬」は祖母の家の部屋の隅の朽ちたところから女の子の顔が見える話。
「凬の橋」は祖母に手をひかれて渡った橋の記憶と地方史家の話をたどる話。
「遠野物語より」は猟師が女を鉄砲で撃った。それが殺人にならない話。
「柿」柿をもらったのだが虫がついてた。それが祖父の建てた家の柿木を思い出した。
「空き地のおんな」は男ともめてぎゃーぎゃー喚いて家を飛び出して彷徨ってると
空き地に背の半分くらいしか見えない女がジーと見ている話。
「予感」は谷崎さんが廃屋に直して住んでる。家というものは・・・・・・・。
「先輩の話」は子供のころは空が大きかったこと、道路が土だったこと、灯りが
ぼんやりしてたこと、そんな思いでのなかで祖母が戦争で死んだ息子の死を感じた
こと。”ぼくらだって既にしてお話ですから”
☆☆☆