京極夏彦『眩談』を読む。

京極夏彦氏。1963年生まれ。北海道出身という。ミステリー作家。

初めて読む作家。童話感覚で読める本だが書いてる中身はおどろおどろしい。

8編の短編が収録されてる。

『眩談』

「便所の神様」昔ながらの古い大きな家の旧式のトイレの匂いが充満する怖さ。

「歪み観音」小さな悪戯好きの観音さまが全てのものを歪んで見せる話。

「見世物姥」雪深い村の6年に一度ある祭りに見世物を見に行った時に一緒に行った

女の子がいなくなった。6年後の祭りに探しに行くのだが・・・。

「もくちゃん」昔はどこの町にも変な人はいた。隣に住む変な男は会うと

もくちゃんと必ず呼び掛ける。そんな人は大抵人懐っこいのだ。それが嫌で・・・。

「シリミズさん」古い家で汚い人形を昔から祀っていた。何もないのだが何故。

「杜鵑乃湯」山奥に大きな湯治湯がある。湯にはいって旅館の中を見て回ると

奇妙なことが次々訪れる。例えばマッサージ室では台の下に水と老婆の顔が・・・。

「けしに坂」法事があって寺に行くのだが飽きて寺の周りを散策するとけしに坂へ。

この坂を登ると過去を思い出すという。人は覚えていたくないから忘れるという。

「むかし塚」過去を埋めてある塚があるという。それを掘り出すと・・・・・。

(気持ちの悪い話のなかでも含蓄が。好きなのは”もくちゃん”)

☆☆☆

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