重松清「たんぽぽ団地」を読む。


    重松清作品はいつもながらやさしいなあ。
   今回は団塊の世代がこぞって団地に入り、みんなが一緒に高齢化し、
   公営団地は老朽化して取り壊しなどの対象になる。日本の現在の
   どこにでもある公営団地の話である。 

   「たんぽぽ団地」
   取り壊しが決まった団地に沖田家の祖父がひとりで住んでいる。
   誰もいなくなった棟に頑固で几帳面な祖父は生活しているのを
   息子と孫娘が引っ越しの説得がてら団地の祖父を訪ねる。
   この団地はかって「たんぽぽ団地の○○」という名で「ワタル」君を主役に
   ドラマが作られ元気だった祖母や賑やかなころの団地の人たちが全面的に
   協力した。いい歳になって戻ってきた人によれば続編を予定してたという。
   時間が回り、過去・現在・未来が起こる「時空たつまき」が団地を襲う。
   本は団地の現在・過去・未来の人たちや団地の様子が入り乱れて
   展開する。そのなかで人々の人間模様がやさしく描かれる。
☆☆☆
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