佐々木譲「黒頭巾旋風録」を読む。


    作家 佐々木譲氏は北海道 夕張生まれという。
    道産子作家には弱い。

    「黒頭巾旋風録」
     蝦夷地のアイヌの人々を和人が酷使していたころ
     旗本の家に生まれて仏門にはいった恵然という武芸にも達者な男が
     アッケシの国泰寺に副住職として赴任してくる。
     道すがらのアイヌの人々への乱暴をみて心痛め、お寺にあった
     馬と異人が残した黒マントと鞭をつかい、寺のアイヌの使用人トツケと
     協力して漁場請負人や松前藩の暴虐なふるまいに痛めつけられた
     アイヌの人々を鞍馬天狗のごとく救うという話。

     松浦武四郎の文献のなかでアイヌの古老の話として
     「悪いことをすると黒頭巾が懲らしめにくる。」と伝わっているという。

     昔見た嵐寛十郎の鞍馬天狗の映画そのものであった。
     場所が蝦夷地であり助けるのはアイヌの人々であり、悪人は
     漁場請負人や役人であった。
           なんか懐かしい感じの本である。
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