加納朋子『モノレール猫』を読む

加納朋子作品。初めての作家。1966年北九州生まれ.文教大短期大学卒。鮎川哲也賞日本推理作家協会賞などを獲得。8篇の短編集なのだがどれも面白い。文章が歯切れがあるし会話にも切れがある。好きだなあ。違った本を借りてこよう。

『モノレールねこ』は迷い込んできた野良猫と思われるデブ猫があるとき首輪をつけてきた。首輪に紙が挟んであってそれによって男の子と女の子が猫を通して文通が始まる。しかしある時デブ猫は車に轢かれた。文通は途絶えそれから十数年後偶然に・。

「パズルの中の犬」は子供のころ離婚した母に育てられて結婚して専業主婦になったのだが・・。手の空いた時間にパズルを趣味にしてる話だが・・。

「マイ・フーリッシュ・アンクル」は高校生の女の子の家族が海外旅行に行っている時に火災で亡くなった。女の子がひとり残されたのだが同居していた叔父さんという人がいた。とんでもない叔父さんだった・・・・。独身・無職・何もできない・・・・。

「シンデレラのお城」は外面的に結婚してないと何かといわれる。そこで婚約者が死んで幽霊になっていてその彼女と同居している男と結婚はしたいとは思ってない女が両親のために結婚した。

「セイムタイム・ネクストイヤー」は子供を亡くした母親が思い出のホテルに行くとそこでは子供に出会えるという演出をしていた。毎年誕生日に予約して10年も経つのだが・・・。

「ちょうちょう」は蝶々というラーメン屋の名前。伯父がラーメン屋をやって成功した。自分も叔父に弟子入りして味を覚え店を開店させた。女の子をふたり採用した。上田という叔父の下でしっかり働いてた男が助けてくれた。最初は良かったのだがチンピラが来てからネットで悪評を連ねられて客足は・・・・」

「ポトスの樹」は子供の貯金も取る親父、子供のことなんて眼中にない親父、カメラマンなのだが母が働いて養ってくれたような家族。結婚して子供が生まれたらどっちの祖父母も競って一変した・・・。

「バルタン最後の日」はいじめられっ子がザリガニを釣って家に持って帰って来た。

ザリガニはいい待遇を与えられて・・・・。泥棒を撃退したのだが・・・。

(どの短編も面白い。特にポトスの樹は笑っちゃうよ。泣き笑いの短編集だ。)

☆☆☆☆