櫛木理宇『鵜頭川村事件』を読む。

櫛木理宇作品。ホラー的小説を描く作家という。この作品は豪雨で外部から隔絶された村で日ごろの憤懣が若者中心に狂気的に自警団という組織を作って暴力集団になって暴れ回る話が描かれる。

『鵜頭川村事件』

村出身の岩森という東京に住む男が溺愛の娘を連れて妻の墓参りに帰って来た時に豪雨に逢い孤立した村で起こった狂気の事件に遭遇する話。この村では矢萩家という事業を営む家が若者たちを雇い入れ村の実権を握っていてそれに迎合する村人たちと村から出られずに欝々としていた降谷辰樹は村の若者のリーダーとして今回の豪雨による孤立を利用して殺人事件が起こったことでそれは矢萩の暴れん坊の息子のせいだとして自警団を組織してこの機会に矢萩という名の一族を粛正しようと・・・・。900人の村で若者たち中心に100人を集めて洗脳していく・・・・。岩森は娘の保護と真実をつきとめて娘を守るために降谷たちと対決していく・・・。

(馴染んでいた人たちが村の孤立で異なる顔を見せだした。災難や困窮は人の隠れた一面をあぶりだす。村特有の血縁・親戚関係など微妙な関係も複雑にする。)

☆☆☆