朝井まかて『ちゃんちゃら』を読む。

朝井まかて作品。多分これが6冊目。江戸時代の庭師の家族を描く人情もの。庭師に関わるいろんな言葉も興味あり。庭師の仕事は空仕事と言われてるらしい。6編の庭師の受けた仕事が描かれる。

『ちゃんちゃら』

植辰という庭師の親方辰蔵にはお百合という娘が亡き母に代わって家事全般を取り仕切っている。弟子のチャラ、石を扱う玄林、水を扱う福助という職人たちと庭作りを仕事をする。チャラは浮浪児のような生活で悪ガキだった庭師に仕込んで腕を上げている。

娘のお百合はチャラに恋しているのだがお百合にはチャラの昔の仲間で船宿の船頭になった五郎太が恋するという関係だ。

京の庭師のなかの嵯峨流という占いを元にいかがわしい庭師もどきの白楊という悪が植辰の力を削ごうと暗躍するのに対抗して悪事を探しで訴えてチャラは死にそうになりながら阻止するという話。「千両の庭」では瑞賢堂というケチで有名な大店の作庭をたのまれたり「南蛮好みの庭」ではチャラがこれまでにない外国人好みの作庭をする話「古里の庭」では引退した大店の主人が故郷を思い描ける庭の作庭「祈りの庭」では流行り病で療養に集められた尼僧の寺の作庭。「名残の庭」では馴染みの隠居屋敷の空いた土地に庭を拡張する話などなど。

(いい人悪い人のはっきりした分かりやすい人情噺。)

☆☆☆