宮部みゆき『鳩笛草』を読む。

宮部作品。久しぶりの宮部推理小説を読む。透視とか将来が見れる能力とか念じたら火をつけられる能力とか持つ人のことを描いた短編3篇が収録されている本。

やっぱり宮部作品の本命はミステリーのような気がする。

『鳩笛草』

「朽ちてゆくまで」は両親は交通事故で早くに亡くなり育ててくれた祖母が心臓発作で突然亡くなった時失われて記憶がなかったことが智子は家に残っていた段ボール箱に残っていたビデオで知った。ビデオでは智子は小さいころ頭が痛くなり夢を見ていつも未来のことを当てた。心配した両親が子育てに疲れ一家心中して智子だけ生き延びたのではないかと疑った。ひとりになった時残された家に火をつけて自殺をはかった・・・。

「燔祭」は多田は歳の離れた高校生の妹を学校の帰りに公園の側で殺された。犯人はなかなか捕まらなかった。会社勤めをしている時同じ会社の女性から憎い犯人を殺したいと思っているなら協力するという申し出が。半信半疑だったがその子は念じて車を燃やして見せた。犯人の目星がついたと思われる頃、新聞に「河川敷に4人の焼死体」と載った。どこからか「新聞を見た?」という声と家にあった妹のキャンドルが灯った・。

「鳩笛草」は刑事をめざした貴子は身体に触ったりすると相手のいろいろなことが見えた。まだ小さな事件だったが自分の能力が力になると信じた。しかし最近その能力の衰えとともに貧血のように倒れるようになった。刑事コンビの大木は心配してくれた。

女の子が誘拐されるという事件が起こったやっと被害者の母に逢って真相を突き止めたがもはや力が残っていなかった。田舎に帰って長期休みをとった。上司も仲間も心配してくれた。大木は結婚を申し込むのだろうか。

(人間のもつ超能力と仕事・恋愛・事件・人生との関りが描かれる宮部作品。鳩笛草とは貴子が超能力に悩んだ時に出会った同じ能力を持つ人が名付けた花の名。)

☆☆☆

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