#東野圭吾『ラプラスの魔女』を読む。

東野圭吾作品。ラプラス方程式というすべては原子でできているから気象や未来が予想できるはずという仮定は超能力者がいれば可能という。その人をラプラスの悪魔というらしいが本書は脳の手術によって医者の娘がそんな能力を得た。ラプラスの魔女だ。

ラプラスの魔女

ふたつの温泉地で硫化水素による死者がでた。事故と思われたが二人の死に関連が。

映画のプロデューサーの甘粕の娘が硫化水素自殺をはかり妻が巻き添えで死に息子謙人は脳に損傷。脳外科羽原教授の手術をうけて回復するのだが超能力も得ることに。

娘羽原円華も手術を志願して超能力を得る。温泉地のふたりの死は事故ではなく甘粕による殺人であると謙人はいい、姉の死も甘粕の殺人であるという。父に復讐しようとするのを円華は阻止しようと・・・・。

円華はいう「・・世界は一部の天才や狂った人間たちだけに動かされているわけでない。一見なんの変哲もなく価値がなさそうな人々こそが重要な構成要素だ。人間は原子だ。集合体となった時劇的物理法則を実現する。この世に存在意義のない個体などない。」と。

(完璧主義者が家族までも完璧でないからとして起こした殺人事件に被害者の息子が硫化水素という事故に見せかけて復讐を果たす話。東野作品にしては学者・刑事・映像関係者・温泉地の人などいろいろな人がでてきてちょっと読むのに苦労した。)

☆☆☆

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