青山文平作品。青山作品は久しぶりだなあ。時代物では派手さはないが好きな作家。なかなか図書館に新しい本がでない。題名が変わってる。
『父のしたこと』
藩の目付永井重彰と佐江との間に拡(ひろむ)が生まれたのだがお尻に穴がなかった。
漢方医に見せても断られた。蘭方医の向坂清庵に見せると状況から手術をしてなんとかなりそうと。手術後は指に薬をつけて出し入れするようにと。神がつけてくれなかったお尻の穴を先生が治してくれると神以上の存在になった。父永井元重は小納戸役頭取で格式ある他藩から養子にという反対派を抑えて幼い現藩主を擁立してすべての藩主の思うことを理解して側に仕えた。藩主は大きくなって痔瘻を患い難儀していた。向坂清庵に白羽の矢をたて手術をすることに。藩主は痛みに弱い人だった。手術は成功した。藩主は藩に医学館を構想していた。向坂先生を学頭に。父元重も医学校の学頭に。
知ってか知らずか父元重は隠居を願い出た。日々釣などで過ごしていた。そんな時向坂先生が薬草に採りに行って帰って来ないという事件が。目付の重彰は悪天候の中を捜索に出る。大雨で崩れた崖で向坂の死体が・・。原因は分からなかった。そんな時父元重が磯釣りに出るという。釣り状況は部屋に置いていくと言って。供をひとりつけていたのだが大波に攫われて父が沖に流されて死んだ。事故を見られていたが・・・。実は。
(蘭方と漢方のせめぎ合いの時代。本も最初は学術書などがたくさん出てくるからちょっと難儀するが後半に向けてぐいぐいと読ませる構成になっている。)
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