小野寺史宜『ひりつく夜の音』を読む

小野寺史宜作品。最近は小野寺作品を集中的に読んでいる。作品は結構多い作家だ。

今回は46歳のクラリネット奏者の音楽に夢をかけた物語。

『ひりつく夜の音

ギターを弾いていた高校生の頃ジャズを聴いてデキシージャズに傾倒してクラリネットを猛勉強した下田保幸。彼女と本場米国のニューオリンズへ。そして有名なバンドの付き人からプロの道へ。帰って彼女留美と音楽のために別れた。バンドの生活をして46歳に、なんとか郊外に小さな家を持った。バンドがリーダーの死で解散し音楽教室の講師と時々指名がかかるとクラリネットを吹く苦しい生活に。週1の朝食バイキングと夜はキャベツや納豆などで食費を抑え、なるべく交通費をかけずに歩く生活。そんな時警察から留美の子供音矢というが喧嘩をして身元引受人に保幸を指名したので警察にという電話が。音矢を受けだしてやるのだが母留美は12年前に亡くなったという。音矢も音楽の才能を持ちギターをやってるという。数えてみると音矢は自分の子ではないかと。音楽の夢も失いがちだったが音矢の話から自分でバンドをつくろうと・・・・。

(音楽の道は大変。プロになっても生活をきちんとできるのはほんの一握りという。)

☆☆☆