小野寺史宜『ライフ』を読む

小野寺史宜作品。「まち」「ひと」「いえ」ときてこの作品を読んだ。これも筧ハイツの周辺の話で一連の作品。同じような作品がこれほど書けるのかと思うが悪い人が出てこない優しい作品だから自分が読みながらいい人ばかりに出会っているようで・・・。

『ライフ』

大学を卒業して会社勤めを2社ほどしたのだがやりたいことも見えず退社した井川幹太。筧ハイツにもう9年一人で生活している。結婚式にでる派遣のバイトやコンビニのバイトで生活している。二階に住む戸田さんは結婚しているのだが浮気がばれて一人で生活させられているのだが土・日などには小さい男の子と女の子が家でドタバタ。奥さんが連れてきたり迎えに来たり。1階に住む勘太は頭に来ているのだが言えない。戸田さんの人柄かあけすけにぐいぐい子供の面倒などを見させられて付き合いが始まるようになる。奥さんや子供たちにも「カンちゃん」と呼ばれて溶け込んでいく。

やっと戸田君の大阪本社勤務の異動の辞令がでて夫婦はやっと夫婦で大阪へ行くことに。二階のうるささからやっと解放へ。

幹太の母は工務店の社長と再婚した。社長の息子の結婚式に出席して母の気持ちをきいて自分もどこか就職を考えた時好きなパンを作る会社に履歴書を出す。

(東京の下町、荒川と中川のある散歩にちょうどいい街で筧ハイツを取り巻く優しい環境でやさしい人たちが描かれる話。「まち」「ひと」などとどこがどう違うのか。)

☆☆☆