小川糸『食堂かたつむり』を読む。

小川糸作品。初めて読む作家。1973年生まれ。作詞家でもあるという。

料理の好きな人はいいかも。「おかん」が養っていた豚を解体する場面は圧巻。

食堂かたつむり

15歳で東京に出た娘「りんごちゃん」は飲食店開店を夢見ていたのだが同棲していたインド人にお金も生活道具も一切もって逃げられる。やむなくおかんの住む実家に帰って小屋を借りて食堂かたつむりを開店する。おかんはスナックをやっている。幼いころに世話になった熊さんが今回の開店にもいろいろ手を貸してくれた。予約制の1日1組の心を込めての料理で評判になる。ただリンゴちゃんは彼氏との別れで声が出なくなって筆談でしかコンタクトとれないがそれでもお客さんが来てくれた。おかんがガンになる。そこで出会った医者はおかんのずっと結婚しない原因になっていた想い人。

ふたりは死期が近いなかで結婚式をあげる。死期の前に愛豚エルメスにも死をと。

エルメスの餌の提供はりんごちゃんの役目で可愛がってもいたのだが・・・。

エルメスのすべてをリンゴちゃんは自分で解体して料理として結婚披露宴で提供する。

(料理の好きな人には面白いだろうし、圧巻の豚解体も迫力がある。母子のわだかまりも最後は解消する。)

☆☆☆