絲山秋子『夢を見ずに眠った』を読む。

絲山秋子作品。読むのは2作目。やっぱり芥川賞作家。本を読んでいて作家はどんな人だろうと考えながら読むのも面白い。江差が出てくる本だ。「街のトーン」の章をもうけて「江差はいいことだよ。」「街のトーンが揃っているから、安心」と出てくる。

そうかもなあと思う。函館から車で江差にきて江差の名所をあちこち回る。やっぱり地元がでてくるとうれしいものだ。作家というのは適当に描かないものだと感心。

『夢を見ずに眠った』

高之は沙和子と婿入りという形で結婚している。高之は沙和子の実家で沙和子の両親と生活。沙和子は大きな会社の要職にいるのだが札幌に転勤に。単身赴任だ。お金の面は妻に依存してる。夫婦は休みに二人で旅行だ。共通の友人もいて「晴れの国」といわれる岡山に。名所を巡るが夫婦といえど好みはそれぞれだ。京都に沙和子は結婚式に。高之は熊谷から車で京都へ、沙和子を式の後名所を案内しようというのだ。ふたりのウツウツが嵩じたのか高之はうつ病に。沙和子は沙和子で出向などの問題も。そんな中でふたりは離婚へ。沙和子はそんななかで函館の友達に会いに行く。沙和子は江差に行きたいといい友が車で一緒のはずが子供が熱を出して代打として弟を用意する。軽四で迎えにきて江差へ。六つ年下なのだが気さくな人柄で話は弾む。厚沢部の道の駅でコロッケを食べ、中村家・横山家・姥神・郡役所・開陽丸などを見て回る・・・・。

高之は友達に誘われて青梅に住み町おこしのような仕事に、沙和子は会社を辞めて事業を起こす。二人はそれでも旅行に・・・・。

(考えさせられる言葉が満載だ。「なにもかにもが愛しい、そう思うのは一瞬でも重みは永遠に等しい。」などなど。

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