#上田早夕里『破滅の王』を読む。

上田早夕里作品。初めての作家。56歳。SF作家という。

日本の大戦の時の中国での石井部隊の細菌研究の話で現在のコロナウイルスを想起させるような話である。当時は細菌戦争も各国とも軍では研究される時代背景もあった。1ページに2段で350頁余の長編。読むのに苦労した。

『破滅の王』

中国にはかって日本軍主導の細菌研究所と比較的純粋に疫病などを研究する研究所とあった。戦争が深まるにつれて軍の意向が強くなりそこで働く研究員は苦悩する。

真須木研究員は新型の治療薬もワクチンもまだない菌株R2vを発見しキング(破滅王)と呼ばれた。彼はこれを散布することで世界が防止しようと世界はひとつになり平和がくるかもしくはこれによって人類が滅亡するかもしれないがやむなしとするのだが六川研究員は治療薬もないこの菌株を使ってはならないと菌株を持ち歩いて各国の研究者に協力をお願いしてる最中に殺される。幼馴染の宮本研究員が犯人追及と治療薬の開発に取り組むのだが中国では日本軍や中国の国民軍や傀儡軍やドイツなど各国の思惑が絡み合って混とん・疑心暗鬼に。

菌株がドイツにあるのではと宮本研究員に賛同した灰塚少佐はドイツに飛びロシアの

ベルリン侵攻前に何とか散布阻止へ・・・・・・。

(著作は2017年なのだが日本の細菌研究に関わった人たちの現在の動向も記されていて

石井中将は戦争裁判を免れたという。)

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