和田竜作品。有名な「のぼうの城」が2007年というがこの本は2年後に
出版したものだ。読んでいてのぼうの城を読んでいる錯覚に陥るほど
和田竜作品であった。「のぼうの城」は愚なほどの人の良さの城主であったが
この本の小太郎は愚なほどの優しさをもった少年であった・・・・・・・。
『小太郎の左腕』
優しさだけでは生きられない社会に生きて鉄砲という才能があるために
周りに翻弄される少年の話。爺は知っていて隔絶していたのに・・・。
戦国時代の1時代前の話。国主たちが集まり盟主が国を治めていたが
その国主のひとり半右衛門は功名あさりといわれるほど武勲をたてる男。
その戸沢家と隣の児玉家との戦になって戸沢家は籠城して戦うのだが
兵糧もなくなり落城寸前に奥の手を使って逃れるのだがそれは・・・・・。
小太郎は雑賀衆の爺に育てられて戦を逃れるために狩をしていたのだが
子供ながらに鉄砲の才能は天才であった。近所の餓鬼からも愚といわれる
ほどの性格で人並に友として扱ってほしいと願う子供であった。戸沢家の
鉄砲撃ち大会で才能を認められてそれが戸沢家の危機を救う手立てにされる。
優しい小太郎に鉄砲を撃たせるために半右衛門は爺を殺して犯人は児玉家と
ささやく。小太郎は爺の仇討ちで児玉家の兵をつぎつぎに撃ち殺して戦は終わる。
戸沢家と児玉家の争いがまた起ころうとする時戸沢家は小太郎を切腹させようと
するのだが半右衛門の良心が敵陣の喜兵衛の元へ真実を話して預ける。
両軍が睨みあうなかで半右衛門は小太郎に銃声一発仇討ちをさせる。
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