津本陽『雑賀六字の城』を読む。

津本作品。1984年というちょっと古い作品。歴史時代ものを多数描いた作家。

代表作は最近では渋沢栄一を描いた。この本は津本氏は和歌山出身だから地元ともいえる作品だろう。

『雑賀六字の城』

信長の石山本願寺を攻めた時に雑賀衆の年寄小谷玄意と息子の太郎衛門と七郎丸も本願寺に寄って信長の大兵力に立ち向かった。南無阿弥陀仏の御旗を立てて、極楽浄土に行けることを信じて。雑賀衆はいろんな大きさの爆薬を作って初期の闘いには勝利して信長を苦しめるのだがさらに兵力を集めた信長についに敗れて近くの山に籠ってなんとか長男は死ぬが七郎丸と父玄意は生き残る。

七郎丸の初戦では仲間とともに信長を撃つべく忍んでいって信長に傷を負わせるまではいくのだが・・・。七郎丸には許婚がいる。戦の合間の逢引を重ねる。

仏教に心酔する雑賀衆は命を惜しまず闘って強いのだが多勢に無勢ではいかんともしがたかった。

(特に鉄砲に強かった雑賀衆。各地の大名の戦闘に参加したという。信長の執拗な攻撃に流石の雑賀衆も。毛利の援けがちょっと早ければ・・・)

☆☆☆

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